あえて目を向けてみる
歳をとると自分を守る術は自然と身につく。
昨年ブームになった某ドラマのタイトルでも主張されていたように、逃げることは大事な自己防衛の手段だ。
思い返してみてほしい。
アナタは自分にとっての不都合な出来事の原因を、まず他者に求めてはいないだろうか。
自分に原因があるのではないかと、まず一番に自分に問いかけることができているだろうか。
情けない話だが、わたしはズルさを自覚したとき、自分が大人になったと感じる。
少しずつ、自分にとっての社会の範囲が広がるにつれて、思うがままに全てが進まなくなる。
何かと理由をつけて納得させなければ、どうにもやるせなくて、心穏やかにいられなくなる。
逃げてもいい。
ズルくて構わない。
それでも、自分の心に少しでも余裕ができたときには、あえて目を背けることをやめてみたい。
あえて目を向けてみたい。
蓋をしたものに。
自分の、狡猾で、浅はかで、愚かで、情けなくて、薄汚れた部分に。
それを見て、感じて、知って、考えたことの中にきっと、自分を引き上げてくれる何かがあると思うから。